神社で神様にお参りするとき、賽銭箱にお賽銭を入れます。
これは「神様にお金を奉納する(=捧げる、供える)」ということです。
では、神様にお金を奉納することに、いったいどんな意味があるのでしょう。
昔から人々は、神様にお願い事をするとき、食事・音楽・舞などを準備してきました。
これは「神様を饗応する(=もてなす)」ということです。
もてなすことで神様に満足していただき、お願い事をきいてもらうのです。
また、神様に喜んでいただくために、自分の大切なものを奉納することも行われてきました。
例えば、布、装束、武器、化粧道具、楽器、そして金銭などです。
お願い事をするときにお金を神様に奉納するのは、我々にとって大切なものを捧げることで、神様に喜んでいただくためなのです。
神道では、お金を否定せず、我々の暮らしを支える重要なものと考えます。
そして、金銭欲を否定しないと同時に、共生(ともいき)の精神も大切にしています。
「幸せになりたい」「豊かな生活がしたい」「健康で長生きしたい」など、神様へのお願いは我欲のオンパレードです。
ですが、皆がこうした我欲ばかりを持つと、とても住みにくい社会になってしまいます。
ですから、「みんなで助け合っていこう」「みんなが幸せになろう」という心がけが大切になるのです。
神様へのお願い事は自分のことをお願いしていただいて大丈夫です。
そしてさらに、「みんなが幸せになるよう助け合おう」という心がけも大切にしていただければ幸いです。