「種を借りる」はなし
2008.10.05
全国には、様々なご利益をもたらす神様がおいでになります。
その中には、一見、奇妙に思える信仰もあります。
「豊作」と「子授け」の両方をもたらすとされる男根信仰もその一つです。
豊作を願う祈りは、神様から神霊が宿った穀物の種をお借りし、それを播いて育て、一粒から万倍の収穫を願うものです。
また子授けの信仰は、神様に子種をお借りして、子どもを授かるように願うものです。
どちらも神様から「種」をお借りする信仰ですので、「豊作」と「子授け」両方のご利益があるとされる神様・おまつり等が全国には多いのです。
神様から「種」をお借りする信仰は、農村だけではなく、商家にもあります。
その一つが「種銭(たねせん)」です。
神様から「種」となる「銭(=お金」をお借りして、それを元に万倍の利益を願うのです。
当社では、正月祈祷の際に種銭をおわかちしております。
そのお金を使うことで一粒万倍のご利益を祈願下さい。
もちろん、神様から「穀物の種」「子種」「種銭」をお借りして、そのご利益がありましたら、神様にお礼参りを忘れないようにして下さい。
その理由は「「賽」というはなし」で書きましたね。